落語家の月亭可朝さんが、3月28日に急性肺線維症のため、80歳で亡くなっていたことを受け、師匠桂米朝さんの長男、桂米団治(59)が9日夜、コメントを発表した。

 「物心ついた時からいつもそばにいて、大きなお兄ちゃんという存在でした。一番幼い頃の思い出は、六甲山にドライブに連れて行ってもらったこと」などと、なつかしい日々を思い、コメントした。

 米団治は以前、可朝さんに子守をしてもらっていた当時「いかがわしい場所によく連れて行かれた」と話しており、可朝さんも「子供と一緒やと、いろいろサービスがあったから」などと、悪びれることなく認めていた。

 可朝さんは、米団治がまだ幼かった61年ごろ、米朝さんに師事しており、師匠の息子の守りは、弟子の役目でもあった。

 米団治は、愛してやまない可朝さんを「兄さん」と慕い、15年8月に行われた父米朝さんの追善公演では、可朝さんへトリを依頼。一門最古参弟子の可朝さんを「筆頭」に扱い「2年ほど前からは、上方落語界の行く末を案じる言葉をよくされ、しゅっちゅう電話がありました」なども明らかにした。

 今年に入ってからも「また遊びにいきますね」と約束していたといい「行けずに兄ちゃんごめんなさい」。米朝一門、十八番の大ネタ「地獄八景亡者戯」をイメージさせるかのように「どうか、天国で米朝師匠と大ママ(米朝夫人)とおいしいお酒を酌み交わしてください。いや、天国じゃなく地獄かもわかりませんが…」とメッセージを送り、しのんだ。