4人組ポップスバンド、スターダスト・レビューが30日、東京・日比谷野外音楽堂で、新型コロナ対策ライブ「こんなご時世、バラードでござーる」を行った。同ライブは有料生配信も実施した。

コロナ対策を徹底したライブとなった。入場時の検温、アルコール消毒はもちろん、座席も1席空け、本来約3000人の収容が可能だが、この日は1200人で開催した。

ライブ前、ボーカル&ギターの根本要(63)の「ライブ好きなこのバンドだけど、今年初めての単独ライブが今日ですよ!」に会場は歓声の代わりの大拍手を送った。メンバーはステージに登場すると、ソーシャルディスタンスに気を使った円陣で気合を入れた。ピアノのSEに乗せた根本のハスキーハイトーンボイスの「バラードでこざ~る~!」で幕を開けた。

冒頭のMCでは「会いたかったですよ、みなさん! 今日まで単独ライブが1度もできずにいて、歌いながら声に詰まるところがあって…」と明かすと、「まあ、年を取って涙もろくなったってことです」と感慨深げに話した。

前作「還暦少年」をひっさげてのツアー後、すぐにニューアルバム「年中模索」のレコーディングに入った。同アルバムは7月に発売したが、予定されていたツアーもコロナ禍で延期となっている。そんな中、「東京都がガイドラインを作ってくれたので、それに準じたかたちでやろうとなった。ちゃんとガイドラインに沿ったかたちでやるので、楽しんでください」とアピールした。

今回はバラードを中心としたライブだが、「今日は盛り上がりません!」と宣言。「僕もリハで寝たから、眠気が襲っても大丈夫です。でも、全員寝たら寂しいので交代で寝てくださいね」と呼びかけた。「今日はうぉ~!とかできないんですよね。飛沫(ひまつ)が飛んで『飛沫のアッコちゃん』になっちゃうから」とおやじギャグを続けると、会場は惜しみない拍手を送った。

叫べないことから「コール&レスポンス」ならぬ「コール&ノーレスポンス」を提唱しつつ、実際にやると「ぎょっとするね」と笑うシーンもあったが、最後は「半年ぶりのライブを幸せに思います。俺はむちゃくちゃ楽しんでます。配信とかやってきたけど、こうやって目の前にみんながいるとどれだけ気持ちが前に出るか実感した。どうもありがとう!」とファンに感謝した。

「おぼろづき」では歌詞を間違えて曲が止まってしまい、再演奏するハプニングもあったが、約3時間の公演で、ニューアルバム「年中模索」から「偶然の再会」や名曲「木蘭の涙」「夢伝説」など計22曲を披露した。