シンガー・ソングライター加藤登紀子(66)が12日、亡き夫・藤本敏夫さんの半生を描いた舞台「青い月のバラード」(東京・俳優座劇場、19日初日)で夫婦役を演じる勝野洋(61)沢田亜矢子(61)とともに、都内で会見した。

 学生運動のリーダーだった夫との出会い、獄中結婚、離婚の危機を乗り越えた“二元生活”、無農薬野菜栽培への挑戦、がんとの戦いまでを、加藤自身がつづった同名著書の初の舞台化。加藤は「普通、死んでからやるもの。びっくりしている。でも、あまり理解されていなかった(夫の)半生を知ってもらういい機会」。再び、夫の死と向き会う場面から始まる舞台だが、「死でたくさんの人にエネルギーを与えてきた。そのことを伝えたい」。

 藤田を演じる勝野も、学生運動の渦中にいた世代。「社会的には自分勝手に写るが、別な所で家族を包んできた。男の中の男、高倉健のファンなのも共通している」と舞台に掛る思いを語った。

 [2010年10月12日18時57分]ソーシャルブックマーク