2009年6月、不眠を訴えた米歌手マイケル・ジャクソンさん(当時50)に多量の麻酔薬などを投与して死なせたとして、過失致死罪に問われた専属医コンラッド・マーレー被告(58)に対し、ロサンゼルス郡地裁の担当判事は29日、禁錮4年の刑を言い渡した。

 陪審が7日に有罪評決を出していた。禁錮4年は法定上限の刑期で、被告に厳しい判決。

 AP通信などによると、判事は被告が長期間にわたり、通常は外科手術などに使用される強力な麻酔薬をジャクソンさんに与え続けていたことや、容体急変後に救急隊員らに麻酔薬を投与した事実を告げなかったことを重視。

 被告に反省の様子が見られないと指摘して「被告はジャクソンさんの信頼を大きく裏切った」と批判した。

 ロサンゼルス郡の刑務所は定員超過状態のため、実際の収監期間は2年以下になる見通し。

 被告はジャクソンさんの自宅の寝室で麻酔薬を投与。知人女性らとの電話のため寝室から出るなどして慎重な経過観察を怠り、ジャクソンさんを死なせたとして起訴された。

 弁護側は、被告が知らないうちにジャクソンさんが自分で多量の薬剤を服用したのが死因だとして無罪を主張。有罪評決後は保護観察処分が適当と訴えていた。