ゴーストライター問題の渦中にあり、現在の全聾(ろう)状態もウソと告白した作曲家佐村河内守氏(50)の代理人を務めていた折本和司弁護士らが15日、代理人を辞任したと明らかにした。

 折本弁護士は辞任の理由について、佐村河内氏や関係者と「今後の方針に関し、意見の違いが生じたため」としている。

 佐村河内氏は今月12日未明、8枚の便箋につづった謝罪文を報道各社に折本弁護士ら代理人を通じて送付。3年ほど前から耳の状態が回復し、(全く聞こえない)全聾の状態ではなくなったことなどを告白していた。これを受け、同日午後には、代理人名弁護士が経緯説明文書を発表。その中では、佐村河内氏と今月4日に初対面した当初、現在も「全聾(ろう)」と説明を受けていたが、7日になって、「少しずつ聴力が回復している」と変わったことを明かしていた。

 佐村河内氏の聴力に関しては、6日、作品を代作していたことで桐朋学園大の新垣(にいがき)隆講師(43)が記者会見で発表した際に「初めて会った時から耳が聞こえないと感じたことは1度もない」と証言した。しかし、同日夜には折本弁護士が、佐村河内氏から聴覚障害2級の障害者手帳を見せられたことなどを根拠に「耳が聞こえないというのは本当だと思う」と反論していた。

 このことに関しても、折本弁護士らは、経過説明書で「結果としては誤っており、当職らの確認不足でした」と謝罪。その上で、佐村河内氏の聴力状態を正確に知るべく、中立な立場から診断、検査できる専門医を探していることも示していた。