イタリアやハリウッドの往年の名作が数多く撮影されたローマの老舗スタジオ「チネチッタ」で29日、初めてとなる一般観光客らへの公開が11月30日までの期間限定で始まった。これまでは団体予約に限って見学が認められていた。

 ANSA通信によると、実際の撮影に使われたセットや衣装、スタジオの歴史に関する展示を見学できる。チネチッタのルイジ・アベテ社長は「将来は映画博物館をつくることを希望しており、それに向けた試験的プロジェクト」と話している。

 チネチッタは1937年、映画を利用したプロパガンダを重視した独裁者ムソリーニの肝いりで建設された。戦後の50~60年代にはフェリーニ監督の「甘い生活」やハリウッドの歴史スペクタクル「ベン・ハー」などが撮影された。現在も映画やテレビ番組の撮影に使用されている。

 入場料10ユーロ(約1200円)で、公開は午前10時半から午後6時半まで。火曜休み。