シンガー・ソングライター前野健太(32)が25日、東京国際映画祭で、日本映画・ある視点部門に出品された主演映画「トーキョードリフター」(12月10日公開、松江哲明監督)の舞台あいさつに登壇した。東日本大震災後の5月、ネオンが消えた東京の夜の街を、前野がギターの弾き語りでユーモアとペーソスを刻みながら、さまよったドキュメント。

 「東京の暗さを肯定したかった」と言う松江監督の思いを形に残した。どしゃ降りの雨の中、一晩で10時間ライブを敢行した前野は「ワインのような映画。時間がたつほど熟成されて行く」と語った。

 09年同映画祭で、ある視点部門作品賞を受賞した「ライブテープ」のコンビによる注目作。