第27回東京国際映画祭記者会見が26日、都内で行われた。

 席上で、今年の目玉企画となる庵野秀明監督(54)の特集上映「庵野秀明の世界」上映ラインアップ全42タイトルが発表された。

 自主製作した79年「ことわざ辞典

 へたな鉄砲も数うちゃ当たる」(79年)や、庵野監督自らウルトラマンを演じた実写作品「ウルトラマン」「帰ってきたウルトラマン

 マットアロー1号発進命令」(83年)など、これまでほぼ表に出ていない作品に加え、代表作「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビシリーズ全話などが、10月24日から30日まで東京・TOHOシネマズ日本橋で上映される。

 庵野監督は、ほぼ全作品が上映されることについて「お恥ずかしい。でもトークイベントは顔を出させていただきます」と照れ笑いを浮かべた。特集上映の企画は、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(66)から話を持ちかけられたといい「鈴木さんから話がきた時、えーっ!?

 と思ったけれど、ありがたいお話なのでちゃんとやっていこうと思う」と話した。

 スタジオジブリに関連した映像としては、三鷹の森ジブリ美術館展示用の短編映像「空想の機械達の中の破壊の発明」(02年)を、大スクリーンで初上映する。展示用の映像のため、同美術館では小さな箱の中で流しているというが、それは宮崎駿監督(73)の意向からだと説明。「5.1チャンネルで、大画面で耐えられるように作った。でも、宮崎さんが小さな箱で…。中身も、宮さんにいろいろ口を出されて、つまらなくなった。コンテをコッソリ直したり…でも、宮さんが言うから逆らえず、渋々…」と苦笑しつつも大画面での上映に自信を見せた。

 映画祭全体としては、今年からロゴが東京の「T」の文字と映画のフィルムをイメージしたデザインに一新された。総合プロデューサーを務める秋元康氏(56)のアイデアを取り入れたもので、同氏のアイデアを生かした新たな取り組みもあるという。椎名保ディレクター・ジェネラルは「秋元さんには総合プロデューサーとして知恵を出していただいています。9月30日の第2回会見で、新しい取り組みの内容をご説明させていただきたい」と語った。