福山新曲「道標」は祖母に捧げるバラード
今年デビュー20周年を迎える福山雅治(39)は、敬愛する祖母への思いを込めた新曲「道標(みちしるべ)」でスタートする。同曲は日本テレビ系報道番組「NEWS ZERO」(月~木曜午後10時54分、金曜は午後11時55分)の今年のエンディング曲。「命」をテーマにしたバラード調の曲で自分に大きな影響を与えた祖母への感謝と尊敬を込めた。また、今年の夏に大規模全国ツアーを敢行し、故郷・長崎では野外公演も行う。
番組から依頼された時に決まっていたテーマは「命」。動機不明の無差別殺人や海外で頻発するテロに「あまりに命が軽くみられていると感じていた」福山が快諾した。
曲作りに入る時、浮かんだのは祖母だった。夫を早く亡くし、長崎でみかん畑など農業で生計を立て、福山の母らを1人で育てた。福山も少年時代、祖母のもとをよく訪れ手伝ったという。やんちゃだった中高生時代もやさしく見守ってくれた。「最近自分の外見も性格もばあちゃんによく似てることに気付き、それがとてもうれしかった。命は確実に受け継がれている。当たり前だけど大切なこと。そんな思いを曲に込めました」。
今も忘れられない祖母の言葉がある。15年前。足腰を痛めたと聞き「ゆっくり休んで」と伝えた。祖母は「畑が呼んでいる」と休まなかった。「衝撃を受けました」。福山は当時、多忙なスケジュールで精神的、肉体的に疲労のピークだった。「ばあちゃんはたった1人で自然や大地と向き合い、共に生きている。それに比べておれは何を甘えているんだと」。今もその言葉が頭をよぎる。「自分には幸い、待ってくれている人がいる。だから倒れるまでやってみようかと思うこともあります」。
福山の目に祖母の生き方は「ぜいたくもせず楽しみは読書ぐらい。みんなが楽しく幸せならいいと考えて素朴で潔い」と映る。「尊敬してます。苦労も人一倍してきたと思う。それでもいつも笑顔。もし素朴で清潔なばあちゃんの生き方が少しでも僕に受け継がれているならば、失いたくない。原点にしたい」。
「道標」では命の重みや大切さを声高に訴えてはいない。祖母の手によく似た自分の手を見つめながら、その笑顔を思い浮かべ、生き方に対する尊敬と命が受け継がれたことに対する感謝を祖母に伝えるように歌う。「戦争や悲しい事件を歌ってもリアリティーがない。僕が伝えられるのは身近な人への思いや触れ合いの中で感じたこと。そこから何か伝わればと思っています」。「道標」は5日から「NEWS ZERO」で流れる。
[2009年1月3日8時48分 紙面から]
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