シンガー・ソングライター鬼束ちひろ(29)を殴り、顔などに全治1カ月のけがを負わせたとして、警視庁渋谷署は17日、傷害容疑で住所不定、無職の古宮裕輔容疑者(39)を逮捕した。鬼束は渋谷署の調べに「古宮容疑者とは事件の約2週間前に知り合った」と話しているといい、警察では経緯を調べている。

 古宮容疑者は、8月18日午前6時ごろ、鬼束の東京・渋谷の自宅マンションで、鬼束の顔を殴ったり床にたたきつけたりする暴行を加え、ほお骨や肋骨(ろっこつ)を折るなど全治約1カ月のけがを負わせた疑い。鬼束はマンションの管理人に「彼に殴られた」と助けを求め、管理人が110番通報。同日、鬼束は同署に被害届を提出した。事件後、古宮容疑者は行方不明になっていたが、渋谷署の捜査員がこの日の午前5時ごろ、東京・立川市内のホテルで古宮容疑者を発見し、逮捕した。古宮容疑者は容疑を否認している。

 鬼束はこの日、ホームページで「逮捕の知らせを聞きました。今は新しいアルバムの制作中で早く皆様に歌を届けられるよう、音楽活動に励んでいきます」とコメントした。所属事務所は、鬼束と古宮容疑者が知り合った経緯については「捜査中なのでコメントは差し控えたい」としている。事件が発覚した翌日の14日、鬼束は都内のアパレルショップに訪れており、ショップのホームページでは「お仕事終わりに遊びにいらしてくださいました」と写真入りで掲載されている。写真では、けがの痕跡はほとんどなく、鬼束は「ここに来ると元気が出る」と話していたという。

 [2010年9月18日8時54分

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