前川清(65)が25日、亡き元妻、藤圭子さん(享年62)を語った。藤さんは8月22日に自殺した。前川はこの日、東京・渋谷公会堂で開催した45周年記念コンサートの合間に囲み取材に応じた。公の場で藤さんの自殺について話したのは初めて。「別れた身なので分かりませんが、いろんなことが、おありになったんでしょう」。そう切り出した後、「どういう亡くなり方にしても強烈な何かで生きざまを表したのかと思います」と言い、「彼女らしい」と表現した。その散り際に自分を投影した。「芸能界を終える時、私も皆さんの思い出に残る散り際にしたい」。決して自殺を肯定したわけではないが元妻の人生に敬意を表した。

 71年に結婚したが、翌72年に離婚した。ある日、ゴルフ場でキャディーから「宇多田ヒカルさんのサインをもらって来て」と頼まれたことがあるという。「結婚が続いていたと思ってた人もいたのかな」。それでも「離ればなれになり、連絡も取っていませんでしたが、大事な人でした。あの1年間があったから、今の自分もあると思います」とかみしめるように語った。

 コンサートでは北島三郎(76)が作詞作曲した記念曲「君が恋しくて」などを、45年間の歌手生活を振り返りながら熱唱した。