次男が窃盗容疑などで警視庁に逮捕され、処分保留で釈放されたタレントみのもんた(69)が5日、パーソナリティーを務める文化放送の生番組に出演した。次男の釈放後初の生放送で、東京・浜松町の同局には大勢の取材陣が集まったが、みのは同局に入る際も姿を見せようとせず、出る際にはダミーの車を使う「隠れみの作戦」を敢行。取材陣をけむに巻いた。番組では現在の心境を示す言葉もあったが、事件には言及しなかった。

 取材陣を避け続けているみのは、この日も逃げた。次男の釈放後、初めての公の場となる文化放送「みのもんたのウィークエンドをつかまえろ」(土曜午後1時)出演。同局にはみののコメントを求めて、午前11時ごろからは取材陣約30人が集まった。

 同11時34分、みのが乗車したと思われる黒い車が文化放送に到着した。しかし、後部座席に体を伏せていたのか、車中に姿は確認できなかった。駐車場には、この車を隠すように大型ワゴン車がかぶさり、みのが降車する瞬間をカメラでとらえることも不可能だった。

 そんな“隠れみの作戦”は、局を出る際にパワーアップした。放送終了後の午後3時15分、みのの車が同局駐車場を出発。しかし、車中にみのの姿はなし。乗車の瞬間も大型ワゴン車に遮られており、記者もカメラマンもぼう然とするしかなかった。「また、逃げられたか…」。そう思い込み、取材陣が引き揚げ始めた同3時50分、みのの車が戻ってきた。そう、35分前に出発した車はダミーで、みのはまだ文化放送に残っていたのだった。

 同4時ごろ、みのの車は再び局を出た。後部座席に最初に出た際はなかった白い毛布が確認された。すっぽり隠れていたが、毛布の下には人が横たわっているように見える形状が…。みのだったと思われる。その後、同局広報担当が取材陣にみのが同局を離れたことを報告した。

 みのは同番組でも「この番組はある時からすごいんですよ。記者のみなさんには100%の聴取率」と言いながらも、次男の事件には一切、触れなかった。一方で、山本周五郎氏の「日本婦道記」を読み「泣けるね。人間てどんな境遇に陥ってもあきらめてはいけない」との感想を述べたほか、「4キロやせました」などと、事件の影響を思わせる近況を明かした。

 みのは次男の逮捕後、容疑を否認する次男を「信じる」と言ったが、次男は再逮捕後、一転して容疑を認めたとされる。TBS系「みのもんたの朝ズバッ」など、みのの報道番組出演自粛は継続。TBS内部でも「もう、続投は無理」などの声が上がっており、みのの対応が注目されている。

 ◆事件メモ

 みのの次男で、日本テレビ社員御法川雄斗(みのりかわ・ゆうと)容疑者は、9月11日に路上で酒に酔って寝ていた男性会社員のキャッシュカードを使い、現金自動預払機(ATM)で現金を引き出そうとしたとして、窃盗未遂の疑いで逮捕された。今月1日には、この男性のバッグを盗んだとして窃盗容疑で再逮捕。警視庁によると、御法川容疑者は、同日夜にこれまで否認していた容疑を一転して認め、3日に処分保留で釈放された。