韓国俳優ペ・ヨンジュン(41)が19日、約2年ぶりに公式来日した。羽田空港には約2000人のファンが集まり、久しぶりの“生ヨン様”に騒然。韓流ブームの火付け役の人気は10年たっても不変だった。夜には千葉・幕張メッセで開催された韓流10周年を祝う「Korean

 Entertainment

 10th

 Anniversary

 Awards

 in

 Japan」に出演。これまでに感謝すると同時に、才能を持った後輩たちへの支援も呼びかけた。

 黒いシャツに黒いパンツ、トレンチコート姿にサングラス…ヨン様が現れた瞬間、羽田空港が揺れた。憧れの人が目の前にいる感動で、約2000人が一斉に「ワーッ」と声を上げた。みなが少女のようにキラキラと目を輝かせ、カメラを向ける。その中、笑顔のヨン様は悠然と歩き、手を振り、投げキスまでしてみせた。

 公式来日は11年10月にスカパー!イベントに出演して以来2年ぶり。この日のイベントへの出演は事前告知されていなかったにもかかわらず、ヨン様の来日を信じ、空港には2日前からファンが集まり始めた。到着直前になると、国際線ロビーにできた人垣は何重に。ロビーに入れないファンは空港の外に出される事態にもなった。どんな韓流スターが来日しても、集まるファンが1000人に達することはないが、ヨン様は別格の2000人超。関係者によると、この日、ソウル・金浦空港の出国ロビーにも、ヨン様と同便の航空機に搭乗する目的などで日本人ファンが多数、集まっていたという。

 イベント会場にも人があふれ、「家族(ファン)」との久々の再会に、ヨン様のほほ笑みが絶えることはなかった。「私をこの場に立たせてくれた家族の皆さん、韓国の大衆文化を愛してくださる皆さんに感謝申し上げます」。

 同イベントは、ヨン様が主演したドラマ「冬のソナタ」が日本で初放送され、韓流がブームとなって10年を記念して開催された。ドラマ、音楽の男女各部門についてファン投票を実施。ヨン様は圧倒的人気で男優賞を受賞し、この10年を「韓国と日本には大きな変化があったように思います。お互いがお互いの国の文化に関心を持ち、文化を愛し理解することで、お互いとても近づくことが出来たと思います」と振り返った。

 予告なしの公式来日は、ファンの投票結果と主催者側の強い要望をくみ、急きょ実現した。「出演作品を持って来日したい」との意向もあったことで、ステージ上では複雑な胸の内も明かした。「早く作品を通してごあいさつしたいところだったんですが、なかなかそれが出来なくて申し訳なく思っていますし、反省もしています。早く作品で皆さんにごあいさつできるよう一生懸命努力します」。

 「冬のソナタ」から始まった韓流ブームは、ドラマや映画だけでなく、K-POPの隆盛にまで波及した。昨今、日韓領土問題の影響もあり、ブームの危機がささやかれているが、この日、ヨン様が今もなお、数多くの日本人女性の心を揺さぶり続けていることが証明された。【今西孝江】