英歌手ポール・マッカートニー(71)が11日、11年ぶりの日本公演「アウト・ゼアー・ジャパン・ツアー」を京セラドーム大阪からスタートさせた。ビートルズナンバーを中心に、10月発売の新作アルバム「NEW」からも楽曲を披露。約3万6000人のファンを熱狂させた。

 ビートルズの名曲「エイト・デイズ・ア・ウイーク」のイントロが流れると、会場は歓声に包まれた。ビートルズのツアーでも歌っていない初披露の名曲。しかもオープニングとあって、ファンは狂喜乱舞した。ポールは2曲を一気に歌い終えると、つかみはOKとばかりに笑顔を見せた。「マイド、オオサ~カ。タダイマ!」。ちゃめっ気たっぷりにあいさつした。

 日本公演はビートルズ時代を含めると5度目。今回は11年ぶりとあって、会えなかった時間を埋めるかのように、積極的に日本のファンとの距離を縮めた。

 構成は幅広いファンを喜ばせた。全39曲中、ビートルズの楽曲は25曲。ビートルズナンバー中心の選曲は往年のファンを喜ばせたほか、10月発売の新作アルバム「NEW」からも表題曲や「クイーニー・アイ」など4曲を披露。ツアー初披露で、日本公演にスペシャル感を持たせた。

 公演中は何度も日本語でファンに語り掛けた。「アリガト」「オオキニ」「日本語ガンバリマス。でも、英語の方が得意デス」。たどたどしい日本語で一生懸命話すポールに、ファンから温かい拍手が起きた。

 この日のライブは2時間35分。2回もアンコールを行い、ポールは最後まで会場を盛り上げ続けた。最初のアンコールでは、大きな日本国旗を持って登場。英国国旗を持ったスタッフを従えて、ステージの左、右と駆け寄り、ファンに向けてお礼を言うかのように旗を大きく振った。最初は座って手拍子を送っていたファンも、アンコールではほとんど総立ちになった。

 今日12日の大阪2日目公演に続き、福岡、東京と残り5公演を開催する。「アリガトウ。また会いましょう、オオサカ」。紙吹雪が舞う中、ポールは名残惜しそうに何度もファンに手を振った。【近藤由美子】