俳優小栗旬(31)が、米俳優ジャック・ニコルソン(76)が主演した名作映画「カッコーの巣の上で」の舞台化作品に主演することが5日、分かった。精神科病院で厳しい管理体制と戦う主人公マクマーフィーを演じる。

 70年代の名作映画の舞台化に再挑戦だ。故スタンリー・キューブリック監督が手掛けた71年の名作「時計じかけのオレンジ」の舞台化主演に11年1月に挑み、狂気の主人公アレックスを熱演した。今回も難役で、精神障害を装って入院後、病院内を支配する権力と対峙(たいじ)するが、最後は自分が精神崩壊に追い込まれてしまう役柄だ。映画版はニコルソンの主演男優賞を始め、米アカデミー賞主要5部門独占の名作。今回の舞台化の演出は「時計じかけのオレンジ」と同じ河原雅彦氏(44)が担当する。

 2人は将来的な「再会」を約束していたという。小栗は「3年前に河原さんとしていた約束が、やっと現実のものとなります。名作に、また一緒に挑みます。映画とはまた違ったものが作れればと思います」と話している。蜷川幸雄氏のシェークスピア作品や劇団☆新感線「髑髏(どくろ)城の七人」など、舞台経験は豊富にあるものの、ここ2年半ほど舞台出演から遠ざかっていた。関係者が「舞台が最も好きな場所なので今年を楽しみにしています」と話すように、今年は舞台イヤーだ。5月に長塚圭史氏(38)演出「あかいくらやみ~天狗党幻譚~」に主演し、続けて7月5日から「カッコーの巣の上で」に臨む。

 主演映画「ルパン三世」も今年夏公開予定で舞台だけでなくスクリーンにも登場。八面六臂(ろっぴ)の活躍が続く。【瀬津真也】