フリーアナウンサー内田恭子(38)が、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(日曜午後8時)に出演することが14日、分かった。織田信長の妹、お市の方役で出演する。これまで女優経験はほとんどなく、大河ドラマは初出演で、時代劇にも初挑戦となる。人気アナの本格的な女優挑戦として注目されそうだ。

 お市の方は、戦国一の美貌の持ち主といわれ、乱世に散った悲劇の女性として知られる。内田は、初の大河ドラマで大役がめぐってきたことについて「何でだろう。いいのかな、私で」と周囲に話している。

 大河ドラマの印象は「ドラマの最高峰というイメージ」。収録スタジオでは「えらいところに来てしまったという思いです」とドラマと役の重みを強く感じていたという。また「打ち掛けを羽織ると気持ちもシャンとして現代ではない世界に入っていきました。演じている姿を見ても自分を見ているような気がしなくて不思議な気持ち。演技という枠を超えて大きな刺激になりました」と話す。

 フジテレビ退社後の07年に、同局「グータンヌーボ」の企画ドラマ「グータンな女たち」に出演したことはあるが、女優経験はほとんどない。NHK関係者は内田の起用について「知性的で凜(りん)とした印象がお市の方に通じる」と話す。内田は、お市の方について「女性らしさの中に、きりっと1本筋の通った力強さを感じます」。

 お市の方は、信長の盟友だった戦国大名の浅井長政に嫁いで3人の娘をもうけたが、長政が信長と敵対したため浅井家は滅亡し、信長に保護される。信長の死後、柴田勝家に嫁ぐが、秀吉に攻められた夫と運命をともにして生涯を閉じる。内田は「愛する子供たちを残して最期を迎える心情は、どのようなものだったのか。同じ母として気持ちを重ねながら演じました」と話している。ドラマの中では秀吉について勝家に忠告する場面などを演じる。

 大河ドラマでは、NHKからフジテレビ移籍後、フリーアナウンサーだった頼近美津子さんが96年「秀吉」でお市の方を演じて話題となった。「軍師官兵衛」は最近、平均視聴率17%前後を記録するなど好調を維持している。内田は8月3日放送に登場する。

 ◆内田恭子(うちだ・きょうこ)1976年(昭51)6月9日、横浜市生まれ。父親の仕事の関係で2歳までドイツのデュッセルドルフ、小5から高2まで米シカゴで過ごす。慶大卒業後、99年フジテレビ入社。「スーパーニュース」「笑っていいとも!」などを担当。04年アテネ五輪キャスターも務めた。06年、退社後にフリーに。同年7月に吉本興業社員と結婚。2児の母。163センチ。血液型A。