東日本大震災で児童74人が死亡し、学校管理下で最悪の津波災害となった宮城県石巻市立大川小の児童23人の19家族が、市と県を相手に23億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で仙台地裁(高宮健二裁判長)は26日、学校側の責任を認め、市と県に計約14億2660万円を支払うように命じた。

 勝訴判決を得た原告団だが、裁判を起こした原点は、唯一生き残ったA教諭の証人尋問だった。しかし、精神疾患を理由に証言台に立たなかった。A教諭は震災直後、津波にのまれたが助かったとしていたが、A教諭が避難した自動車整備工場の関係者は「水にぬれていなかった」と証言している。長女未捺(みな)ちゃん(当時小3)を亡くした只野英昭さんは「彼の真実の言葉を聞きたくて裁判を起こした。うその証言をしているのは間違いない。必ず、彼はテレビを見ているはず。彼の話を聞きたい」と訴えた。再開を目指す検証作業でもA教諭の聞き取り実現が中心となってくる。