東京都渋谷区議選(定数34)は21日、投開票され、今年3月までアイドルグループ「仮面女子」で「桜雪」として活動していた橋本ゆき氏(26)が、初当選した。55人が出馬した激戦を乗り越え、政治家として第1歩を踏み出すことになった。

橋本氏は東大卒で元アイドルの異色の経歴をアピールしつつ、26歳の若い世代らしく、「学びと遊びがあふれる渋谷区にしたい」と、独自の政策を打ち出した。同区議の現職に20~30代がいないとして「多様性を訴える区政に、若い世代の声が反映されていない。私たちの未来に、政治はずっとついてくる。政治も新しくなるべきだ」とも訴えた。

挑戦のきっかけは昨年、同じグループの猪狩ともか(27)が、事故で車いすでの活動になったことだった。「障壁を乗り越えるまちづくりをしたい」と考える。「日本一、からみやすい政治家」という目標を踏まえて、街頭活動でも有権者の意見に、積極的に耳を傾けた。

投票日の21日は、母親の誕生日。心配をかけたという母に、「新しい夢への第1歩」をプレゼントすることもできた。今後は舞台から区政へと場を移して、新たな活動をスタートさせる。