皆様いかがお過ごしでしょうか。今回の特集号は皐月賞ということで、昨年末、中山競馬場に産駒と参戦した珍道中について書きたいと思います。

2023年もいよいよ終わりを告げようとしている12月28日。私と産駒は推し厩舎である寺島厩舎のお馬さん・ホルトバージ号が、推し騎手である今村聖奈騎手騎乗で、調教師試験に合格された佐藤悠調教師が助手さんとしての最後の競馬となるG1ホープフルSに出走すると聞きつけ応援に行きました(情報量が多いですね、笑い)。

実は私、中山競馬場は唯一、担当馬と参戦したことがない競馬場なんです。競馬学校時代に1度と、引退してから1度、来ただけで右も左も上も下もわからない場所。最初は観客席で応援しようかと思ったのですが、G1開催場で産駒を連れてウロウロすると(私が)迷子になる可能性が高いため、関係者席で応援することにしました。しかしながら1度も来たことのない場所なので、落ち着かずソワソワ。何度もお手洗いに走る私の横で産駒はまた持ち前の社交性を発揮しておりました(笑い)。

そんな時、相方さんの同郷であり大先輩の国枝調教師に初めてお会いし、ごあいさつさせていただくことが出来ました。心の中で「世界の国枝先生やー」とミーハー心を出していると国枝先生から「騎手になるのかい?」と聞かれた産駒は「うん!」と言うていました。思わず「うんじゃなくてハイと言わんか!」と鬼の形相で産駒を見つめていたのは言うまでもありません(その後キッチリ産駒は私に説教されていました、笑い)。

説教後(笑い)、席についていると「元気にしていたかー?」と懐かしい声が。声のする方を見ると優しい笑顔で笹田調教師が来てくださいました。笹田先生は私が厩務員さん時代からかわいがってくださって、大変お世話になった先生です。いつも調教スタンドで会うと優しくしてくださり、憧れの武豊騎手にお会いし、お話しする機会をいただいたのも笹田先生のおかげでした。先生は昔から楽しいお話を聞かせてくださるのですが、久々にお会いした今回は産駒と共にごあいさつできてとてもうれしかったです。

メインレースまでの時間、競馬を見ていると、たくさんの関係者の方々とごあいさつすることが出来ました。中でもうれしかったのは、東西の先輩女性厩務員さんや先輩女性助手さんにごあいさつできたことです。皆さん変わらずバリバリ働いていはる姿を直接見ることができ、やはりカッコええなと感じました。その時、産駒は休憩場所にきてはるバレットさんや食堂の方に話しかけに行こうとするので、結局ゆっくり競馬を楽しむ余裕はありませんでした(笑い)。

そんな中でも一番焦ったのはミルコ・デムーロ騎手を見つけた産駒が大興奮したことでした。というのも以前、目の前で相方さんのお馬さんにミルコ騎手が騎乗して勝利していただいたことを覚えていたらしく、産駒はお会いしたかったようです。私はずっと「待って、あかん、お友達ではないのよ」と産駒を引き留めつつ言うていました。私は厩務員さん時代にミルコ騎手に担当馬に乗ってもらったことはないので、直接お会いしたことがほぼなく、もしお話しするとなったら緊張するというのに何という積極性(笑い)。

私が1度だけミルコ騎手とお会いしたのが競馬学校時代。まだ短期免許で日本に来られていた頃だったと思います。競馬学校に来はったミルコ騎手を「うわ、本物のミルコ騎手や」とただただ見つめていた私(ミーハーなのに人見知り)に教官が「写真撮ってもらったら?」と言うていただき、1枚撮っていただいた記憶があります。その時、緊張しすぎて私の笑顔はだいぶ不自然でした(笑い)。

だいぶズレてしまったので話題を戻します。ホープフルSに出走したホルトバージ号は4角を回ってくるところで抜群の手応えを見せてくれていました。「これはひょっとしたら…」と思いながら産駒の手を握りしめたのを思い出します。結果は残念でしたが、ホルトバージ号の頑張りと聖奈騎手、佐藤悠調教師、そして寺島厩舎の絆を感じることが出来たレースでした。

そんなレースを中山競馬場に来られて応援できたことは、私にとって貴重な経験になりました。2023年の中央競馬も終わってしもたなんて余韻にひたっているのもそこそこに、私は気合を入れ直しお台場に向けて産駒と出発しました。

というのも、翌日大井競馬場で行われる東京大賞典を応援するためでした。産駒は初めて見る2階建て電車に大興奮。私はというと、車窓から見える東京スカイツリーや東京タワーを見ながら産駒以上に興奮状態(笑い)。そして初めて見る無人運転車両・ゆりかもめに乗り込み、レインボーブリッジやお台場の夜景をみた産駒がひと言冷静に「オシャレだね」とカッコよく言い出したので、興奮状態だった私も思わず吹き出してしまいました。どこで覚えてん、そのセリフ(笑い)。その夜は相方さんが大学時代、馬術部で一緒だったご友人と有明でお食事をし、ホルトバージ号のお話で盛り上がり楽しい時間を過ごせました。

そんなこんなで産駒も楽しかったようで、ホテルに戻ってからのお風呂場でずっと「おしゃれだねー」と言うてはしゃいでいました(笑い)。そして翌日…と言いたいところですが、大井競馬場珍道中はまたの機会に。

さて、今年の皐月賞はどんなドラマを見せてもらえるでしょうか。楽しかった中山競馬場の旅を思い出しながら産駒と一緒に応援したいと思います。今回はこの辺りで。ごきげんよう。

ホープフルSに出走したホルトバージ
ホープフルSに出走したホルトバージ