中日オネルキ・ガルシア投手(28)が、プロ史上79人目(90度目)のノーヒットノーランを惜しくも逃した。それでも8回を投げきり1安打無失点、8奪三振の好投で広島大瀬良と並びハーラートップタイの2桁10勝目を挙げた。

 快投を演じたガルシアと松井雅のバッテリーがお立ち台に上がった。「本当にいいピッチングができて良かった。捕手とうまくいった。(ノーヒットノーランは)7回から意識した。8回にヒットを打たれた後、気を抜かずに全力でいった。ゲッツーをとったとき何とかなると思い、次の打者にも全力でいった。(10勝)自分の良き人生の中で、初めて10勝したけどファンのおかげ。味方のおかげ。後半戦再開してチームが連敗していたので連敗を止められるように心掛けた」と声をはずませた。

 8回無死走者なし。無安打投球を意識していた左腕は、広島会沢に詰まりながらも二塁手の後方にポトリと落ちるこの試合初安打(右前安打)を許すとマウンド上で両手を広げ、無念の表情を浮かべた。

 快挙達成なら両リーグでは西武岸孝之投手(現楽天)の14年5月2日ロッテ戦以来、4年ぶり。セ・リーグでは、チームメイトの中日山井大介投手が、13年6月28日DeNA戦で達成して以来、5年ぶりだった。

 後半戦初登板となったガルシアにとって、初回が最大のヤマ場だった。2死走者なしから四球、投失、四球で満塁となったが、野間を一塁ゴロに打ち取りピンチをしのいだ。

 2回は会沢、西川、岡田を3者連続三振に仕留め波に取ると7回まで3人ずつで抑えた。5回途中には右脇腹を痛めるそぶりをみせたが、何とか乗りきった。9回こそ鈴木博志にマウンドを譲ったが、ガルシアがチームの連敗を止めた。

 打線も7回に広島岡田を攻め、1死満塁からガルシアを好リードする松井雅が左前適時打を放ち先制。なおも満塁からガルシアが自らのバットで左前適時打、京田も左前に2点適時打で一挙4点。8回にも堂上の右前適時打で1点を加点し試合を決定づけた。