トランプ余波が総合格闘家を襲う可能性が出てきた。DREAM2階級制覇したUFCミドル級4位ゲガール・ムサシ(31=オランダ)が、トランプ米大統領(70)が中東など7カ国からの入国を禁止した大統領令を懸念する声明を発した。

 1月31日(日本時間2月1日)、4月8日に米ニューヨーク州ブルックリン開催のUFC210大会に出場予定だが、「私はオランダ国籍でビザも持っているが、入国は難しいと聞いている」とコメント。オランダ在住だが出身地はイランで、対象国となっている。

 ムサシはイラン・テヘランで生を受けたが、イラン・イラク戦争により4歳の時にオランダへと移住した。ボクシングをバックボーンに、総合格闘家に転向し、06年にPRIDEに参戦。08年には初代DREAMミドル級王者につくと、10年にはライトヘビー級でも王者を獲得した。

 UFCには13年から参戦している。現在4連勝中で、該当大会で元ミドル級王者クリス・ウィドマンに勝てば、王座挑戦に前進する大事な試合となる。「私の仕事は試合の準備のために練習をすることしかない」とも述べ、UFC関係者の働きかけを見守る姿勢をみせた。(デーブ・レイブル通信員)