左上腕部付近にケガを抱える大相撲の横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が、夏場所(14日初日、東京・両国国技館)への出場を決めた。11日、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が「出場します。休場しません。本人と話して今朝、出場を決めた」と話した。

 稀勢の里は春場所13日目の日馬富士戦で左上腕部付近を負傷。「左大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷で約1カ月の療養は必要」との診断書を提出して、春巡業を全休した。番付発表後も最初は部屋で非公開で調整してきたが、横綱昇進披露宴が行われた6日から5日連続で出稽古を敢行。関取衆と相撲を取り、徐々に状態が上がってきていた。

 この日は「疲れがたまっているので、休ませた」(田子ノ浦親方)と朝稽古に姿を見せなかったが、代わって師匠は「出るからには横綱らしい相撲を取ってもらいたい。ファンをがっかりさせないように、横綱の相撲を見に来ているので、横綱らしい相撲を見せるように頑張って欲しい」とした。