G大阪の長谷川健太監督(50)は敗戦にも、新戦力のテスト機会を生かせたことを前向きにとらえた。

 「今シーズン入った選手がいる中で、どれくらいやれるか」と、横浜から新加入のMFアデミウソンをトップ下で起用した。

 「前半うまくはまらないというか、危ない場面はなかったが、狙ったような守備はできなかった。アデミウソンとパトリックが(広島MF)青山を気にしすぎた。いっそ2人で青山を消してくれればよかったけど、いずれにしても気にしすぎて、センターバックにプレッシャーをかけられなかった」。

 それでも前半終了まで、同じ形を続けた。「ベンチでイライラしながら見ていましたけど、ただ時間かけて使ってみないと分からないので、前半我慢して、そのままの形でつかってみた」と振り返った。

 長谷川監督はさらに「アタマから倉田を使えばうまくいくのは分かりきっている」と言い、この試合の意義を説明した。

 「変化の前は苦しいもの。新しい血を入れながら、レベルを上げるために、今は苦しまなければいけない時期。乗り越えたら、1段階レベルがあがる。新しい選手は、広島のような相手に使ってみないと、何も判断できない。今日のゲームでしか試せない部分がある。やってみて分かる」。

 後半、アデミウソンを横浜でプレーしていた右サイドに回し、MF宇佐美を中央、MF阿部を左と並びを変えた。直後に失点したが、手応えはあった。

 「攻撃に動きが出た。しかしその分、もしかしたら守備でほころびが出たのかもしれない。ただ決して前半はいいと思わなかったし、あのまま時間が進んでも、広島ペースでつまらない試合のまま終わってしまう。それはいやだった」。

 状況を変えるために自ら動いた末の敗戦に「前半は見ている人もつまらないし、こちらがもっと積極的にサッカーを動かしていかないと、広島側から動くことはない。先に動くのはなんだかなーと思いながら、しゃーないなと」と苦笑いした。

 しかし新戦力のテストはきっちりと済んだ。「負けたことを、次のアジアチャンピオンズリーグ、Jリーグにどうつなげるかが大事」と前を見据えた。