早大圧勝V2!史上最強証明/ラグビー
<ラグビー:全国大学選手権>◇8日◇国立◇決勝
盤石の強さは王者の証明だ。荒ぶるワセダが31年ぶりの2連覇、史上最多の13度目の大学日本一に輝いた。5年連続の決勝対決となった宿敵関東学院大にFW、BK一体となった攻撃で41−5の完勝。今季で5年の任期を終える清宮克幸監督(38)が情熱指導でつくり上げた早大史上最強軍団が、決勝戦最多得失点差でその名を歴史に刻んだ。2月4日開幕する日本選手権で悲願の打倒トップリーグを果たす。
胸から込み上げてくる感動をもう抑えることができなかった。清宮監督のほおに熱い涙が伝う。「選手に早大史上最強とハッパをかけてきたが、持てる力を出し切り、その通りになった。感無量、最高です。多くの早稲田ラグビーファンに支えられ…」。次の言葉が出ず、嗚咽(おえつ)した。栄光の優勝インタビュー。5年間、情熱を注ぎ、手塩にかけて育て上げたチームが3たび、勝利の部歌「荒ぶる」を大合唱した。
過去4回の決勝対決で2勝2敗。平成の名勝負と言われた関東学院大を攻守にわたって圧倒。力の差をみせつけた。序盤、マイボールのラインアウトを2本続けて奪われ、攻めあぐんだ。しかし、焦りはない。原因は分かっていた。NO8佐々木主将は「新しいサインプレーの単なるサインミス。リフトとスローをしっかりやろうと声を掛け合った」。前半24分、俊足WTB首藤が圧巻の60メートル独走トライを奪うと、せきを切ったように王者の強さを取り戻した。
決戦前の1週間、特別な練習はしなかった。「1年間、関東学院大との決勝をイメージした練習を続けてきた。それを確認しただけ」と清宮監督は言った。春の始動から、決勝だけを見据えていた。どこを強化したらいいか。数値化したデータや資料などを基に具体的な練習プランを明示した。「選手はいろんな個性を持っている。その個性を損なわないようにしてチームづくりをしてきた」。密集でのターンオーバー、首藤の独走トライ、有賀を止めた池上の強烈なタックル、曽我部のドロップゴール‥、その指導がこの日の選手の動きに結実した。
指導の基本にあるのは5年間、一貫して「戦術ありき」ではなく「選手ありき」だ。就任した01年、初練習のメニューは体力測定だった。同ポジションの選手に3000メートルを走らせ、タイム順に優劣をつけた。練習時間は集中力が保てる2時間を限度とし、試合で実践することのないプレーは排除。練習のための練習ではなく、勝つための練習を徹底した。
この日、BK陣でただ1人、4年生先発だったCTB池上は一般入試組。その池上は「監督は実力を正当に評価してくれる。無名校も名前も関係ない」と言う。チームには内ゲバと称される部内マッチがある。十分な働きをした選手は上のチームに引き上げる。こうして選手間の競争意識を高めた。勝ち続けるための環境整備も怠りなく、今季はそれまでの最新マシーン、天然芝に加え、サブグラウンドに人工芝を導入した。
勝負のカギだった密集でのボール争奪戦を制し、攻めこまれてもラック、モールでターンオーバーするなど、勝ちっぷりは大学王者にふさわしい。強力FWに決定力のあるBK。清宮監督の目標も大学レベルのその上にある。日本選手権に向け「今日と同じモチベーションでグラウンド立たせるのが僕の役目。夢をかなえたい」と力を込めた。【三角和男】
[2006/1/9/09:04 紙面から]
写真=前半34分、早大SO曽我部はタックルを受けながら右隅にダイビングトライ(撮影・中村誠慈)
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