五輪公園内のメインプレスセンター(MPC)で30日(日本時間31日)、異例の避難訓練が行われた。午後3時、館内に警報音が流れ「屋外に出てください」のアナウンス。記者やボランティア、作業員らが非常階段などを使ってMPC前の広場に集められた。係員がハンドマイクで「建物から離れ(敷地反対の)食堂の方へ移動してください」と連呼。この様子を撮影していたカメラマンにも、容赦なく「早く避難して」と声がかかった。

 五輪開幕直前に、世界中から集まった報道陣を対象に避難訓練が行われるのは異例。もちろん事前通知はあったが、締め切り間際の記者はたまらない。広場に座り込んでパソコンを打つ者もいた。開幕まで1週間となった前日から報道陣の数も急増し、この日は数百人が参加。「MPC内の火災を想定した」と説明されたが、普通はやらない訓練が逆にテロなど緊急事態の不安を助長していた。