湘南FWアリソンが、史上初の大珍記録をつくった。14日の鹿島戦で、J1初出場初ゴールをマークした後にラフプレーで退場。1試合に「得点→退場」を記録したのはJ1史上延べ93人目と、それほど珍しいケースではないが、それをデビュー戦で記録したのは今回のアリソンが初めてだ。

 ロスタイムを含め出場10分間での出来事だった。今季新加入のブラジル人助っ人は1-1の後半38分に途中出場しJ1デビュー。2分後にいきなり警告を受けるも、同46分にクロスを頭で合わせて決勝点を決めた。だが、その2分後の同48分、空中戦の際に相手の顔をたたいて2枚目の警告で退場。チームを勝利に導いた殊勲のヒーローだが、ラフプレーはいただけない。

 交代策が的中した形の曹監督は「最後、名前も知られていないブラジル人選手が得点とって退場しましたけど(笑い)、彼を含めて、いい形のゲームプランでいい形で送れた」。アリソンは「試合に出たくてうずうずしていたしプレーすることが待ち遠しかった」と話したが、“衝撃”のJ1デビューを飾ったチーム最年少の19歳FWは、次節3月22日の仙台戦は出場停止。渇望する試合出場はお預けである。【石川秀和】

 ◆J1デビュー戦での退場 アリソンで9人目。94年8月10日の広島戦での名古屋MFストイコビッチが最初で、先発するも前半18分に退場。シュート1本で無得点だった。

 ◆プロ野球では 最近では04年の開幕戦で阪神のキンケードが来日初出場となった巨人戦の7回に退場。そこまで3打数無安打だった。初登板勝利、初出場本塁打はあっても、そこで退場した例はない。