1人の男のスタメン定着が、チームを上昇気流に乗せた。広島のMF柴崎は、今季12試合に出場し2得点3アシスト。ゴールとアシストを合計して算出した「スコアポイント率ランク」でリーグ9位に入る。今季初先発となった第6節の東京戦でゴールを決めて勝利に貢献すると、そこからスタメンに定着。チームも5連勝を含む6勝1分け1敗と、第5節時の10位から2位に浮上した。

 30歳を迎えて新境地を開いた。本職はボランチで、ザッケローニ監督時代の11年には日本代表に選出された経験もあるが、今季から攻撃的MFにポジションを変更。高萩と石原が移籍したこともあって、その穴を埋める形で「2シャドー」の一角に入った。そこで安定したプレーを披露し、攻撃を活性化。定位置をつかみとった。

 キッカーとしても大きな役割を担うようになった。前節23日の新潟戦ではCKで2アシスト。CK成功率(キックが味方に合う確率)は45・5%でリーグ1位と、その正確なキックは貴重な得点源となっている。今季の広島は主力が多く移籍し開幕前から不安視されたが、柴崎ら既存の戦力がそれを解消。補強に成功して首位に立つ浦和を勝ち点4差で追走する。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)

スコアポイント率ランク20傑
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