<J1:G大阪1-1仙台>◇第16節◇20日◇万博

 浦和は昨年、ほぼ手中にしていたタイトルを失ったことがモチベーションにつながった。今年はゴールへのアグレッシブさがまるで違った。チームの雰囲気、戦う上での余裕があった。勢いに乗っていて、次のゲームが楽しみで仕方ないといった感じだった。

 選手層の厚さもあるが、後半に得点が多いのも含めてペトロビッチ監督のマネジメント力が大きい。90分間で力のアベレージが落ちないよう、選手交代を含めた采配が当たっている。去年とは別チームだった。

 優勝を逃したG大阪とは悔しさの差があったと考える。昨季の3冠達成でG大阪は満足したわけではないが、勝負へのこだわりという点では、真の意味で背水の陣だった浦和と差はあった。1シーズン制なら浦和をとらえるチャンスはあったが、2ステージ制では勢いで逃げ切られた。

 G大阪の攻撃は宇佐美やパトリックが絡んだ中央ではシンプルだが、サイドは1手、2手こだわりが強い。中央で待つ選手とタイミングのズレが気になる。タイミングを逃さず仕留める形はもっと高められるはず。それが出来れば、宇佐美らの力をより発揮できる。(日刊スポーツ評論家)