<キリン杯:日本1-2ボスニア・ヘルツェゴビナ>◇決勝◇7日◇吹田S

 日本はボールをつないで組織で、相手はFWの高さ、強さを生かすという、互いに攻撃の特性は明確だった。その中で日本の良さを考えると、ミドルサード(ピッチを3分割したゾーンの中央)でボールを失ってはいけなかった。ここで失うがために速攻を受け続けた。日本の2失点目。守備の対応遅れは、前半からのそんなほころびが体力消耗に結びついていたからだ。

 もっと多くのチャンスをつくれたはずだ。ボールを失わない持ち方をしていない。1つ1つのプレーが軽い。1回のミスでもやられてしまうという危機感を欠き、いつかは点を取れるという楽観が見えた。相手は技術がありタフだった。こじ開けるためには日本の良さは出しつつ、相手にやられてはいけないのだ。ゲームマネジメントとして、したたかさ、緊張感という土台を感じられなかった。

 試合中、これでは勝てないと怒鳴り、ネジを締めるような選手も見受けられなかった。(日刊スポーツ評論家)