キプロスを仮想ギリシャと捉えた時、不安要素が2つあった。まずGK川島の守備範囲を、縦横10メートルずつ広げなければいけない。前半の速攻を受けた場面が象徴的だ。DFの裏を取られた際の準備が足りない。ギリシャの速攻を防ぐためには、もっと広い範囲をカバーして長所を消さないといけない。もう1つは攻撃面。フィジカルの強い相手に真っ向からぶつかって、つぶされていた。横の揺さぶりを増やして、スペースを作り、いいタイミングで中に入る工夫が足りない。

 個人的には大久保は久しぶりの代表戦とはいえ、持ち味を発揮していた。香川もいいシュートがあったし、感覚が戻っている。逆に良くなかったのは本田。やはりボールを失うことは良くない。吉田や内田も故障から復帰したとはいえ、W杯の連戦に耐えられるかどうか未知数。残り少ない時間で、どう課題を克服するかが大事になる。(日刊スポーツ評論家)