＜東アジア杯：日本１－１中国＞◇最終戦◇９日◇中国・武漢

　ハリルホジッチ監督は就任後、６人交代できる親善試合では３連勝したが、交代枠３人の真剣勝負の場であるＷ杯アジア予選と今大会の計４試合で１つも勝てていない。意味の分からない起用も多いし、誰が何をするのか選手が混乱しているのは間違いない。何より監督自身がしっかり選手たちについて把握できているのか疑問が残る。

　例えばサイドバック。海外組の内田と長友がケガがちで、新戦力の台頭が望まれるポジションだ。だが今大会の日本はサイドからの攻撃が本当にひどかった。この日の中国戦も、Ｇ大阪で右サイドバックを務める米倉を左に、同じくセンターバックの丹羽を右に配する「勝手にアレンジした」起用。米倉はかろうじてアシストを決めたが、安定して良いというレベルではなかった。

　新戦力になり得る選手がいないのか、それとも監督が選んでいないのか。今大会でポジションが固定されていたのは山口と槙野と森重だけ。みんな前から出ている選手たちで、ハリルホジッチ監督が発掘したわけじゃない。武藤も、サイドから展開すれば点を取れるとは思うけど、サイドバックがこれではね。僕から見たら、今大会でポジティブな要素はただの１つもなかったよ。（日刊スポーツ評論家）