<高校サッカー:鹿児島城西4-3青森山田>◇31日◇1回戦◇市原

 青森山田が鹿児島城西に3-4で逆転負けし、2年連続の初戦敗退に泣いた。谷間と呼ばれた現3年生の代を主将として引っ張ったFW見宝(けんぽう)憂が先制点を決めるなど一時は2-0とリードしたが、大会屈指のFW大迫勇也(3年)擁する相手攻撃陣に屈した。

 浜風が、涙でぬれた肌に冷たく突き刺さった。2年連続の初戦敗退に悔し涙を隠せなかった見宝主将は「2点を奪うまではプラン以上だったけど、最後まで守備陣が落ち着かなくて…。みんな緊張して、簡単なパスや連係でミスが出てしまった」。前半17分に決めた先制弾について多くを語らなかった。勝たなければ、意味がないことだった。

 最も警戒したFW大迫勇に2得点を許し、1回戦で散った。だが、入学時から「谷間の世代」と呼ばれた見宝ら3年生が、最後の試合で優勝候補を追い詰める健闘を見せた。1年の時はボールに触れず、校内のガラス磨きだけをさせられた時もあった。それでも、先輩や周囲を見返そうと朝5時から自主練習をした。

 見宝は東京からの越境入学組だが、推薦ではなくセレクションを受けた雑草だった。見宝の父勉さん(49)によると、中学時代の恩師の二宮浩監督(現J1東京ヘッドコーチ)から「見宝には青森山田のビルドアップサッカーが合う」と勧められた。だが、昨年までは試合に出場できなかった。それでも、主将を任されて急成長。今季のプリンスリーグ東北で得点王(18点)を獲得。県大会後も、選手権出場校との練習試合4戦で9点を決め、この日も先制弾でチームを鼓舞した。あこがれたサッカーの「点取り屋」を勝ち取った。

 見宝は「みんな僕に付いてきてくれて、主将をやれて良かった。後輩には今日の悔しさを忘れないで優勝を目指してほしい」と言った。U-16日本代表のMF柴崎ら後輩へ、初優勝の夢を託してピッチを去った。【木下淳】