全国高校サッカー選手権(12月30日開幕、東京・国立競技場ほか)の組み合わせ抽選会が24日、東京都内で行われ、北海道代表の旭川実は31日の1回戦第2試合(フクダ電子アリーナ)で沖縄代表の南風原(はえばる)との対戦が決まった。94年の室蘭大谷対那覇西以来15年ぶりとなる南北対決。9年ぶり2度目の大舞台へ向け、フットサル元日本代表の高橋健介(27=カハ・セゴビア)ら、前回出場時のOBらの全面支援を受け初勝利に挑む。

 いきなりの南北対決となった。旭川実9年ぶりの全国選手権の相手は初出場の南風原に決まった。相手は沖縄大会5戦24発と攻撃力が売りのチーム。串橋剛志主将(3年)は「うちには飛び抜けた個人はいないが、チームとしての組織力で対抗したい。1年中練習できる南国の相手に負けるわけにはいかない」と闘志を燃やした。

 初の初戦突破へ準備は着々と進んでいる。10月25日の道予選決勝後1カ月は1年生強化月間として、週末2泊3日の苫小牧合宿を敢行。道学生リーグ覇者の道教大岩見沢などと3試合を行い2勝1分けと、大学生相手に結果もついてきた。富居徹雄監督(37)は「チームの底上げをしたい。内容はともかく自信にはなっていると思う」と話す。24人と最も多い下級生を鍛え上げ、新戦力の発掘に時間をかけている段階だ。

 偉大なOBからのサポートも決まった。00年初出場時のエースで、フットサル世界最強のスペインリーグ1部、カハ・セゴビアで活躍中の高橋から部員全員分のネックウオーマーの差し入れが申し入れられた。串橋主将は「9年前の先輩たちが果たせなかった夢を果たしたい」と恩返しの1勝を誓う。

 偶然にも前日23日に東京に移動する際には新千歳空港で、もう1人のOBにも遭遇した。高橋の同期でフットサル日本代表として24日開幕の東アジア選手権(北京)のため中国へ移動中だったエスポラーダ北海道の菅原和紀(27)だった。菅原からは串橋に「一緒に頑張ろうぜ」とエールを送られた。

 同校でも11日に「全国高校サッカー選手権出場を支援する会」を発足させ、野球部の甲子園出場時と同様、全校的な遠征費募金活動が始まった。「9年前は全国に出るだけのチーム。今度は全国で勝つチーム」と富居監督。力強い援軍を得た旭川実が、関東での年越しを狙う。【永野高輔】