日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(63)が、DF内田篤人(27=シャルケ)と極秘会談したことが29日、分かった。東京・JFAハウスで28日午後に異例の対面。約1時間の話し合いで、気に掛けていた右膝のけがの状態などについて聞いた。内田は25日に電撃的に結婚を発表したばかり。選手との信頼関係を大切にする指揮官は、直接お祝いの言葉も贈った。

 ハリルホジッチ監督が結婚を発表したばかりの内田と極秘裏に会い祝福していた。場所は地上11階、地下3階建ての日本サッカーの総本山、JFAハウス。時間は28日午後。内田は関係者と人知れずビルに入り、指揮官のもとに向かった。

 同監督は初陣だった3月の国際親善試合2試合に招集し起用した右サイドバックの右膝の状態を、ずっと気にしていた。4月に欧州視察に出掛けドイツで海外組を集めて開催した“ハリルの晩さん”に、けがを抱え欠場が続く内田は不参加。この夜のことを、11日に取材に応じた際には「治療中で来られないということで残念でした。心配しています」と話していた。帰国を待ち、驚異的な行動力でタイミングを合わせての会談を実現させた。

 異例ずくめだ。代表活動中ではなく、内田はシーズンオフに突入したばかり。これまでJFAハウスに連日のように“出勤”して仕事をする外国人監督がいなかったこともあるが、代表選手がやってきて指揮官と会談することはほとんどなかった。「選手と良い人間関係を作ることでグラウンド上でより良いことが起きてくる」が信条。コミュニケーションを重視する。これぞハリル流。当然、話題は電撃的に発表された結婚にも及び、面と向かい祝福の言葉も贈っている。

 6月1日発表の日本代表に、けがを抱える内田を招集しないことは内定済み。だが、今後を見据え、実力を高く評価するからこその異例の会談。代表強化はピッチ外で、想像さえしない形でも着々と進んでいる。