24日にW杯アジア2次予選、アフガニスタン戦が行われる埼玉スタジアムのピッチは、ほぼ100%の状態に仕上がった。

 22、23日と2日間続けて、事前練習が行われたが、しっかりと芝が根を張ったピッチには、ほとんどダメージが残らなかった。

 緑が美しいだけではない。22ミリと短く刈り込んだピッチに、試合直前にしっかりと水をまき、日本代表が好むボールが走るピッチコンディションでキックオフを迎えることになりそうだ。

 春先のピッチ状態を保つのは、実は年々難しくなっている。国立競技場が解体されてから、高校選手権の準決勝、決勝も埼玉スタジアムで開催されることになった。今年も1月11日の決勝戦が行われた。

 加えてJリーグの開幕が、今季は2月27日にまで早められた。しかも埼玉スタジアムを本拠地にしている浦和は、アジアチャンピオンズリーグのプレーオフに回る可能性があった。その場合、今季初戦は2月9日に行われる予定だった。

 芝を休ませる貴重な期間であるオフが、1カ月も取れないかもしれない。埼玉スタジアムのスタッフはこの難しい状況に備え、昨年9月には動きだしていた。

 年内の日本代表のホーム最終戦だった15年9月3日のカンボジア戦終了後、いつもより早めに、しっかりと冬芝のタネをまいた。冬の寒さ、日照時間を好むこの芝が、短いオフの間に一気に伸び、大人の芝になった。

 この半年、ハリルホジッチ監督は海外遠征や国内組合宿などで、着実に自らの哲学を選手に注入し、チームを強化してきた。その間、日本代表のホームである埼玉スタジアムのピッチも、チームと歩調を合わせるようにコンディションを上げてきた。

 指揮官が「第2段階」と位置付ける、ハリルホジッチ体制2年目のシーズン。大事な初戦は、最高のピッチ状態で行われる。