リオデジャネイロ五輪に出場するサッカーU-23(23歳以下)日本代表候補DF三浦弦太(21=清水)が13日、生き残りアピールに成功した。約1年4カ月ぶりの招集となった静岡合宿最終日のこの日、アイスタで行われた清水との練習試合(45分×2本)に先発。出場45分間で、清水のチームメートを相手に安定した守備を披露した。試合は、1-1の引き分けだった。

 慣れたピッチで、DF三浦が躍動した。約1年4カ月ぶりの招集で「ラストチャンス」と位置づけた一戦。序盤から飛ばした。積極的に声を出して最終ラインを統率。攻撃面でもハーフライン付近でのビルドアップに参加し、起点を作った。試合前、手倉森監督から直接指導を受けた(1)ラインコントロールをこまめに(2)ボールの運び方を常に意識したプレーで存在感を示した。

 FW北川航也(19)を後ろから激しく倒すなど球際の強さも発揮した。日頃、J1昇格をともに目指すチームメートにも遠慮なくぶつかった。出場は前半45分間でアピールに成功し、笑顔で言った。「(清水が相手で)少しやりづらさもあったけど、楽しくできました。自分の良さは出せたと思います」。

 もっとも、リオ五輪メンバー入りまでには、いばらの道が待っている。同代表センターバックのライバルには、植田直通(21=鹿島)岩波拓也(21=神戸)奈良竜樹(22=川崎F)ら強力な面々がいる。三浦もそれを自覚し、「食い込むことは簡単ではないけど、五輪出場のチャンスは1度しかない。U-19の時の悔しさもあるし、出たい思いは強いです」と言った。AFC U-19選手権では準々決勝で敗退。U-20W杯出場を逃した当時の悔しさが、夢舞台への思いを強くさせている。

 今日14日からは清水に戻り、先発が確実な17日のホーム讃岐戦に備えていく。「また呼んでもらうためには、チームで活躍していかなければ。気を抜くことなく、1日1日やっていきたい」。生き残りへの戦いは、これからが本番だ。【前田和哉】

 ◆三浦弦太(みうら・げんた)1995年(平7)3月1日、愛知県生まれ。大阪桐蔭から13年に清水入団。U-18、19、21日本代表。J1通算16試合無得点。J2通算7試合無得点。183センチ、77キロ。