なでしこジャパンGK山根恵里奈(26=千葉)ら女子8選手が13日、東日本大震災から6年がたった東京電力福島第1原発とJヴィレッジを訪れた。全員、この地が活動拠点だったJFAアカデミーの出身。かつて共同生活した寮や自転車で通った楢葉中、富岡高の今を見て、同行した日本協会の田嶋会長やJリーグ村井チェアマンとともに、復興支援への思いを新たにした。

 山根は高校卒業後、東電に就職。福島第2原発に配属されて広報部で働きながら、女子クラブの東京電力マリーゼで活動した。研修で何度も足を運んだ第1原発を、なでしこリーガーとして初めて訪問。廃炉を目指す1~4号機を視察し、作業員と一緒に新設の食堂で昼食を取った後、450人の作業員の前に立つと、涙が止まらなくなった。「震災後、移籍してサッカーを続けるか、やめて残るか悩んだ。そこで後押ししてくれた福島のことが、いつも心の中にあります」と感謝した。

 18年夏の一部再開、19年4月の全面開業を目指すJヴィレッジは、20年東京五輪の男女日本代表が強化拠点にする。「絶対に代表に入って福島に戻ってきます」と山根。約束を果たして復興支援する。【木下淳】

 ◆復興支援に参加した、なでしこリーガー8人 山根、若林美里(千葉)川島はるな、田中陽子、吉見夏稀、和田奈央子(ノジマステラ神奈川相模原)浜田遥、本多由佳(仙台)