チーム一丸で“厳格ルール”を乗り越える。サッカーU-20(20歳以下)W杯韓国大会(20日開幕)に向け、静岡合宿中の日本代表は13日、ミニゲームなどで約1時間練習。今大会からGKが手で6秒を超えてボールを保持できない「6秒ルール」と、主審への異議は主将に限られるという2つの規則がより厳しく適用される見通しになった。これを受け、MF坂井大将主将(20=大分)らがいち早く対応策を打ち出した。

 国際サッカー連盟(FIFA)が方針を示した規則の厳格化は、FIFA総会から12日に帰国した田嶋会長からその日のうちに内山監督へと伝えられた。坂井主将は国際審判の公用語ともいえる英語について「全然です」と謙遜した一方、違った角度の発想を持っていた。「あまり審判にいろいろと言わない方がいいと思いますし、細かいジェスチャーなどでいい関係を作れたら」。主審に複数選手で詰め寄れば心証を悪くするだけ。チーム全体で表情や身ぶりに注意し、言葉を使わずにうまく味方につける考えだ。

 6秒以上ボールを保持してはいけないGKの「6秒ルール」は、違反すればペナルティーエリア内で間接FKを科せられる。そうなれば大ピンチを迎えることになる。これまで6秒ルールの適用はあいまいな部分があった。それを逆手に取り、GKによる時間稼ぎともとれるプレーも少なくなかった。

 内山監督は「周りがサポートしなければならない」とGK以外の選手の重要性を指摘していたが、唯一学生で選出されたGK小島は「味方への指示が重要になる」と対応はGKの役割であることを強調した。「(味方が)体力的にきつくもなると思う。うまくコーチングして(選手を)動かせるようにしたい」と位置取りの指示に注意を払う構えだ。

 厳格化とはいえ、もともとルールとして定められていたもの。今大会での判定が、今後の基準になっていく可能性もある。決勝トーナメント進出を目標とする上で、ジャッジを味方につけることも勝利への大事な要素の1つだ。今年成人の年代が中心となるチーム。どの国よりも早く“大人の対応”を見せて、厳しいジャッジを乗り越える。【岡崎悠利】