日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)が、ブルガリアでプレーする無名のMF加藤恒平(27=ベロエ・スタザゴラ)ら初招集3人を含む驚きの日本代表を編成した。25日、東京・JFAハウスで会見し、W杯アジア最終予選イラク戦(6月13日、テヘラン)に向けたメンバーを発表。日本は国際親善試合シリア戦(同7日、味スタ)を経て、勝てばプレーオフ出場の3位以内が決まるイラク戦に臨む。

 「ブルガリアのカトウ」が本当に代表入りした。昨年9月のメンバー発表会見でハリルホジッチ監督があえて名前を挙げた守備的MF。会見では「皆さんが、あまり知らない選手も入っている。1年間追跡して(コーチが)4試合、現地で直接見た」と紹介された。

 今季同国1部7位だったベロエ・スタラザゴラの背番号4は立命大でアルゼンチンに渡り、卒業後の12年はJ2FC町田ゼルビアでプレー。その後モンテネグロ、ポーランドのクラブをへてヨーグルトと琴欧洲(現鳴戸親方)で知られるブルガリアへ。指揮官が重視する激しいボールの奪い合い「デュエル」が持ち味で、他の欧州組とはまったく違う経歴に加え、J1で1試合もプレーしていない異例の日本代表が誕生した。

 「すぐにプレーさせるわけではない。通常は6人MFを呼ぶが、7人目で知るために呼んでいる」。ハリルのシンデレラボーイは今日26日にも帰国する。

 ◆加藤恒平(かとう・こうへい)1989年(平元)6月14日、和歌山県生まれ。千葉の下部組織から立命大に進む。12年にJ2町田加入。この年はJ2で29試合出場。13年からモンテネグロ、ポーランドでプレーし、16年にベロエ・スタラザゴラに移籍。W杯アジア最終予選の日本代表に予備登録されていた。173センチ、70キロ。