<U19アジア選手権:韓国3-0日本>◇8日◇準々決勝◇サウジアラビア・ダンマン

 日本が、世界切符を逃した。1次リーグA組1位の日本は、同B組2位の韓国に力の差を見せつけられて完敗。J2横浜FCのFWチョ・ヨンチョル(19)に1得点1アシストを許して0-3で敗れ、来年10月のU-20W杯(エジプト)出場権も奪われた。日本がW杯出場を逃すのは、93年大会以来8大会ぶり。この世代で臨む12年ロンドン五輪に向けて、あまりに痛い黒星となった。

 何もできなかった。圧倒的な力の差。前半21分にチョの絶妙クロスでMFユ・ジノに先制を許すと、その後も一方的に押された。後半からは初戦で負傷したFW柿谷を緊急投入したが、韓国の赤い壁を崩すことはできず。参加国中最多の1次リーグ10得点した攻撃陣も沈黙した。ほとんどシュートも打てないまま、終盤に連続でゴールを許し完敗した。

 最大の目標だったW杯出場権獲得。7大会連続で出ていた世界舞台への切符を8大会ぶりに逃した。「全体的に体の動きが重くて。選手に次の経験をさせてやれなかったのが残念」。牧内監督は力なく話した。

 この世代の対韓国通算成績は5勝8分け(PK戦も含む)24敗。この大会で11回優勝している韓国に対して、日本は準優勝6回で優勝はない。ワールドユースで準優勝した「黄金世代」でさえ、アジアユース決勝で韓国に敗れた。2年前にU-16アジア選手権で優勝した「新黄金世代」も負けた。MF水沼は79年ワールドユースで日本唯一の得点を決めた父貴史さん(48)に続く親子出場を目指したが、その夢もついえた。

 20歳で世界を経験できない損失は大きい。4年後、この世代は23歳以下で争う五輪を狙う。再び予選がある。韓国が立ちはだかる可能性もある。「悔しい。こんな思いは2度としたくない。必ず五輪に行って、世界と真剣勝負がしたい」。GK権田主将は、涙で言った。技術、スピード、精神力、すべての面で韓国に圧倒された日本。赤い壁は、あまりにも高かった。