岡ちゃんが突然キレた。日本代表の岡田武史監督(52)は27日、東京・本郷でのスタッフ会議後、「点を取れてないとは思っていない」と得点力不足の論調を一蹴。さらに、W杯アジア最終予選A組で首位と勝ち点差2の2位について、「何の問題もない」と言及した。これまで極力、自己評価を避け、周囲の批判も受け流してきた岡田監督の突然の「反撃」。3月28日のバーレーン戦(埼玉スタジアム)に向けての戦闘態勢突入の合図となった。

 突然の「反撃」だった。スタッフ会議後に、「(3月28日の)バーレーン戦にどういう考えで臨むのか」と聞かれると、猛然としゃべりだした。

 岡田監督

 FW陣の得点力不足と皆さん(マスコミ)に言われているようですが…、私は点を取れていないとは思っていない。これまで(W杯予選で)点が取れなかったのは、バーレーン戦(0-1、昨年3月26日の3次予選)と、この前のオーストラリア戦(0-0、2月11日の最終予選)だけ。それ以外は点を取っている。他の国の代表にとっても、点を取るのは簡単じゃない。

 前回のホームでのスコアレスドローを蒸し返されたり、長年の懸案である得点力不足について質問をされたわけではない。しかし、岡田監督は一気にまくし立てる。ややムキになりながら、さらに言葉を強めた。

 岡田監督

 最終予選を半分終えて勝ち点8で、(勝ち点)2差での2位は何の問題もない。

 オーストラリア戦終了直後、ロッカー室で選手に向かって「今日は負け」と表現。これまで「目の前の1試合、1試合に集中するだけ」と同じせりふを繰り返してきた姿は、どこかに消えていた。

 オーストラリア戦のマイナスの余韻を断ち切るための突然の「変身」なのか。4月中旬に短期合宿を行う考えを明かした上で、こう続けた。「バーレーンに勝ったら大丈夫という雰囲気があるようだ。選手がそういうコメントをしていると書いてあったので…。ただ、そんな甘いものじゃない」。これまで避けてきた自己評価を「解禁」し、強気な現状認識を示すことで、バーレーン戦にむけての再スタートを宣言していた。【井上真】