日本代表の後任監督人事が最終局面に突入した。日本協会の小倉純二会長(72)は23日朝、東アジアサッカー連盟総会出席のため中国・北京に出発する際に「あとは相手の返事を待つだけ」と監督人事について言及。この日夕方に会見した技術委員会本部長の大仁邦弥副会長(65)も新体制初戦のパラグアイ戦(9月4日、日産ス)に向け、「駆け込み就任」の可能性を強調した。24日には、欧州で交渉にあたっていた原博実強化担当技術委員長が帰国する。現状説明のために会見を開く。

 難航している後任監督人事が、いよいよ最終局面に入ってきた。22日に大仁副会長と緊急会談した小倉会長は一夜明けたこの日、「あとは相手の返事を待つだけ。僕がいない間(23~26日)に決まる可能性も十分あるんじゃない」と努めて前向きに話した。

 5日に原委員長が渡欧し、既に3週間近くが経過。小倉会長が「(交渉相手は)1人でなく、複数いる」と話すように、第1候補の元ポルト監督ビクトル・フェルナンデス氏、元オランダ代表監督のマルコ・ファンバステン氏と交渉中だが、難航し長期化している。

 新体制初戦のパラグアイ戦まで残された時間は限られるが、日本協会側は「駆け込み就任」へ、いちるの望みを捨てていない。会見した大仁副会長は「手応え?

 あるから頑張っている。まだ(パラグアイ戦に)間に合うと思っている」と断言した。

 間に合わない場合は代行監督を原委員長が務める可能性が濃厚だが、大仁副会長は「(代行のリストアップは)やっていません。今のところ考えていません」と明言。日本協会が外務省と粘り強く話し合い、ビザ発給の期限も延長するなど、新監督でパラグアイ戦を迎える準備を進めている。

 小倉会長、大仁副会長の判断で、原委員長は現地にスタッフを残して24日に帰国する。さまざまな状況を想定して善後策を練ると同時に、Jクラブやサポーターへの経過説明を行うため。だが、大仁副会長はそれに加え、あえて「(判断は)相手側にあるので、こちらから何かをするわけじゃない。だから原は帰ってくる」と返事待ちの現状を強調した。

 「詳細は明日(24日)、原が話します。明日が(サポーターに対しても)説明の場だと思う。経過を説明する中で(候補者の)名前が出る可能性はある」と同副会長。遅れに遅れた監督人事の責任を背負わされた原委員長の口から何が明かされるのか。注目の会見となりそうだ。