<キリンチャレンジ杯:日本1-0パラグアイ>◇4日◇日産
MF本田圭佑(24=CSKAモスクワ)は表情を変えず握手を続けた。新たな船出をゴールで飾ったMF香川のインタビューに6万5000人超で埋まったスタジアムが沸く中、試合終了後にようやくベンチに戻ってきた本田の表情はさえなかった。
新生日本代表のエースとして期待を背負い「本職」のトップ下で先発。前半9分には低い弾道の無回転FKで相手ゴールを脅かした。同16分には左からのピンポイントクロスをMF松井に合わせて見せ場は作った。だが、期待されたゴールは生まれなかった。後半は中盤でボールを失う場面もあった。
同33分に交代を告げられると、ベンチに視線さえ送らずスタンド下のロッカー室に直行した。その行動が、自らのプレーに対する評価のように映った。試合後は「すいません」とだけ発し、取材エリアを足早に通り過ぎた。輝きを放った同じ欧州組の香川とは対照的。不完全燃焼だった。
同じパラグアイと対戦した直後、W杯から帰国した7月1日の関西空港には4000人以上のサポーターが詰めかける「凱旋(がいせん)」ムードだった。だが、本田は黒いサングラスの奥で違和感を覚えたという。「オレは、当然日本で批判されるやろうと思って帰ってきた。目標を『優勝』と言っていながら、がっかりさせたわけやから。正直あの反応にはビックリした」と明かしている。
この日のプレーでは、勝利を素直に喜べないのも当然だ。4年は長いようで短い。個人でもチームでも世界の頂を目指している。勝利を手放しで喜べないのは当然といった表情であり、態度だった。【八反誠】

