<国際親善試合:日本3-1オーストラリア>◇1日◇東北電ス

 U-22(22歳以下)日本代表が、個人能力の高さを発揮する3得点で逆転勝利した。守備の不安を露呈しながらも、同オーストラリア代表を退けた。くしくも“親子ゲーム”となったA代表が0-0で引き分けるなか、今後A代表入りが期待されるFW永井謙佑(22=名古屋)が2得点1アシスト、FW大迫勇也(21=鹿島)も1得点と結果を出した。クウェートとのアジア2次予選(6月19、23日)を前に守備の課題は残るが、この得点能力は今後の日本サッカー界にとっての希望となる。ザッケローニ日本代表監督への強烈なアピールにもなった。

 得点の「におい」がした。1-1の後半19分、左サイドにいた永井がオーストラリアのバックパスに反応した。背番号11のずばぬけた瞬発力を、相手は知らない。相手からすればセーフティーと思われたパスだが、永井の爆発的なダッシュ力は、わずか10歩で追い付く。懸命に体を寄せるGKよりも一瞬早く、自分の間合いをつかむ。体がぶつかる寸前、ボールをフワリと浮かせ、無人のゴールに収めた。勝ち越し弾に両手を広げて喜んだ。

 永井

 2点目は狙っていた。あそこは浮かせるしかないな、と。まさか入るとは思わなかった。最近ずっと入んなかったので。しっかりとホームで点が取れて良かった。

 戻った嗅覚は「復活」を感じさせた。プロ入り後の2得点は、いずれもこの日と同じパターン。相手ボールを奪い、俊足を生かしたカウンターでゴールへ走った。得点は4月19日のACL・FCソウル戦以来。殊勲者は照れくさそうに笑っていた。

 前半は苦しんだ。「途中で間延びしちゃって、距離感がつかめなかった」。相手の裏へ走ってもボールが来ない。孤立した。ロスタイムに、ようやく好機が訪れる。MF山村がボールを奪い、右サイドへスルーパス。DFを振り切った永井が、GKと1対1になり、左の脇をかすめるように、右足でわずかなコースを射抜いた。

 リズムに乗ったエースは止まらない。後半39分には右サイドからゴール前へ速めのクロスを上げ、FW大迫の3点目をアシスト。「サコがいい位置にいたので」。関塚監督を「5月はキレがなかったけど、今日の動きを見て復調したと感じた」と喜ばせた。

 意地があった。U-22の得点力不足が嘆かれると、オランダでブレークしたFW宮市、初A代表に抜てきされたFW宇佐美への待望論が耳に届いた。「2人の招集の声は刺激になった?」の問いに「僕が決めることじゃないですから」。そして「でも」と続け「FWなんでしっかりゴールを決めることが大事。結果にこだわりたい」と返した。昨年の広州アジア大会は得点王で優勝。「永井頼み」と言われようと、エースとしてけん引してきた自負がある。

 試合終了間際は、ボールを持つだけで客席がざわめいた。A代表の観戦に来たサポーターを魅了し、その速さで驚かせた。3週間後にはクウェートとの決戦がある。「失点してから逆転した。みんなの自信になったと思う。次はホームの豊田スタジアム。しっかりと点を取りたいです」。いつA代表に呼ばれても不思議ではない。あのスピードとゴールを奪う正確さは、すでにそのレベルに達している。【近間康隆】