人気サッカー漫画「キャプテン翼」の作者高橋陽一氏が書き下ろしたキャラクター「楓(かえで)ちゃん」が、小説となって8月中旬にも出版されることが13日、分かった。物語に加え、さし絵の形で楓以外のキャラクターも登場する予定という。

 楓ちゃんは5月に女子サッカー、なでしこジャパンを応援するキャラクターとして誕生した。先月8日のW杯ドイツ大会代表メンバー発表に特別参加した高橋氏から「漫画化や小説化の話も進行しています」と明かされていたが、なでしこジャパン活躍の余韻冷めやらぬこの時期に、講談社から出版されることが決定。関係者によると、高橋氏は懸命な執筆作業を続けているという。

 高橋氏が今回の小説へかける思いは、現在行われている女子W杯やロンドン五輪でのなでしこジャパンの活躍への期待だけではない。日本の女子サッカー界で代表を目指す子どもたちに加え、世界各国の子どもたちに読んでもらうことで、夢を抱いてほしいという願いが込められている。

 「楓ちゃん」のモデルとなっているのは、なでしこジャパンで主将を務めるMF沢穂希(32=INAC)だ。「翼くんが10番なので違う番号にしました」と高橋氏が選んだ背番号の8は、所属するINACで沢が付けている番号。横にすると「∞(無限大)」というこだわりもある。

 「キャプテン翼」は日本だけでなく、各国の代表選手が幼少期から影響を受けた世界的人気漫画。主人公の大空翼がスペインのバルセロナに入団が決まった際、ライバルクラブのRマドリードの会長が「なぜ、うちに来てくれなかったんだ」と悲しんだほどだ。

 「楓ちゃん」も国際舞台での活躍が期待されている。女子サッカー界の新しいスターが、いよいよ世界に羽ばたく。【鎌田直秀】