<W杯アジア最終予選:日本1-0イラク>◇B組◇11日◇埼玉

 日本代表のFW香川真司(23=マンチェスターU)が、思わぬ故障に見舞われた。11日のW杯アジア最終予選イラク戦を腰痛で欠場した。前日10日に非公開で行われた公式練習後に違和感を訴えたという。必死の治療で直前まで出場の可否を探ったが、アルベルト・ザッケローニ監督(59)は「(当日)午後まで様子を見たが、100%ではない選手をピッチに送るわけにはいかない」と説明。ベンチ登録からも外れ、スタンド観戦した。

 今日12日にもマンチェスターに戻り、チームドクターの診察を受ける。香川は「昨日やっちゃって(試合)ギリギリまで治療して、待ってもらったんですけどね。重傷ではないので、長引くこともないと思う。歩くのは問題ないですが、まだ力を入れた時に腰に響く」と淡々と話した。腰に負担のかかる欧州への長距離移動を含め、中3日で15日にFW宮市の所属するウィガンとのリーグ戦を控えるが、欠場する可能性が高い。さらに19日には、欧州チャンピオンズリーグの初戦となるガラタサライ戦がある。ビッグクラブ特有の過密日程になっており、回復が遅れれば長期離脱につながりかねない。

 香川が今回のW杯予選を欠場するのは昨年11月に平壌で開催された北朝鮮戦以来で、ベンチ外は初めて。代表とクラブとの両立は難しく、マンチェスターUのファーガソン監督も、体調面について「把握しきれていない。ドルトムント時代が参考になるだろうが、チームとして不安材料であるのは確かだ」と漏らしていた。

 同クラブはイラク戦の試合中に公式サイトで、香川の負傷欠場を速報で伝えた。それだけ、期待は大きい。6日の親善試合UAE戦も見せ場なく前半45分間だけで途中交代。香川の回復は、マンUにとっても、日本にとっても重要な問題になる。【益子浩一】