日本代表が、来年2月1日から約1週間、欧州遠征を計画していることが23日、分かった。同6日が国際Aマッチデーのため、欧州強国とのマッチメークも含め、合宿地選定作業に着手した。アルベルト・ザッケローニ監督(59)の要望によるもので、W杯イヤー1年前の最初の合宿から、世界を意識した戦いを本格スタートさせる。MF本田圭佑やFW香川真司ら欧州組主体の合宿で、MF大津祐樹やMF宇佐美貴史ら若手も試す可能性が高い。

 W杯をにらんだ本格強化が始まる。フランス(12日)、ブラジル戦(16日)で、日本の現状は把握できた。アジアで無敵を誇る日本だが、ブラジルに惨敗した後、ザッケローニ監督は「自分が描いたイメージとして(日本の実力は)もう少し上だと思っていた。ブラジルとの差はアウェーでの経験の差でもある。このギャップを縮めないといけない」と課題を口にした。

 指揮官の要望に、日本協会は素早く反応した。11月14日のW杯予選オマーン戦を無事に終えると、W杯出場が視野に入るだけに、原博実強化担当技術委員長は「W杯出場を決めることが先だけど、その後はできるだけ、アウェーで試合を重ねるようにしたい。国内合宿の可能性もゼロじゃないけど、海外でやるなら欧州だね。今、情報を集めている」と、合宿地や対戦相手探しに着手した。

 14年W杯ブラジル大会に向け、世界の強豪はすでに活発に動いている。日本が欧州遠征し、試合を組む予定の来年2月6日は、オランダ対イタリア、ドイツ対フランス、イングランド対ブラジル戦など、多くの強豪がすでに試合を組んでいる。まだ決まっていない国として、スペイン、ポルトガル、ロシア、ウクライナ、セルビア、モンテネグロなどがあり、日本協会はこれらの国と交渉している可能性が高い。

 今まで、年始の合宿は主に国内でスタートしてきた。Jの開幕前で、主にフィジカル主体のメニューだった。しかし欧州組が増え、同時期は欧州各リーグのシーズン最中のため、フィジカル練習は必要ない。しかも、試合を組む予定の来年2月6日はフレンドリーマッチデーのため、各クラブは48時間前に選手をリリースする。そのため国内合宿では、試合前日に合流する選手が出るなど、まともな強化ができず、本気で強化するなら、欧州合宿しかない。

 来年2月1日の合宿は、最初は国内組数人でスタートし、同4日から全体練習を開始する予定。欧州組中心の合宿で、今までザックジャパンに出番のない、大津、宇佐美、指宿ら欧州組の若手が呼ばれることも考えられる。

 未知のW杯8強以上へ。ザックジャパンが、欧州でその答えを探る。

 ◆国際Aマッチデー

 国際サッカー連盟(FIFA)が男女別に定めているもの。オフィシャルマッチデー(OMD)とフレンドリーマッチデー(FMD)の2つに分けられる。OMDの場合は試合日の4~5日前までに、FMDの場合は試合日の2日前(48時間前)までにクラブ側が所属選手を代表チームに貸し出さなければならない義務が生じる。また、国際Aマッチに選手の招集を希望する場合、当該協会は選手の所属クラブに試合の2週間前までにその旨を通達しなければならない。