○×式インタビューで日本代表FW香川真司(24=マンチェスターU)が、本音を独占激白した。日刊スポーツが用意した○と×のプレートを介し本音トークを展開。同代表MF本田圭佑(27)のビッグクラブ移籍、現役中の結婚&子づくり宣言、そして川崎F・FW大久保嘉人(31)との代表での競演熱望など、今まで語られることのなかった胸の内を明かした。【取材・構成=栗田成芳】

 ○と×のプレートを握りしめた香川が、いすに座りスタンバイした。右手で、左手で、ときには両手で本音を語った。その袖から見える南国で日焼けした肌。バカンスでしばしの休息をとるオフ中だが「いろいろ忙しくて落ち着いて休めていない」と、マンチェスターUでの1年目、W杯アジア最終予選とコンフェデ杯を戦ったシーズンの疲れはまだとれていない。それでもあと1年で迫り来るW杯のことは頭から離れない。それは意外にもチーム内での危機感を抱いているからかもしれない。

 「名前を挙げるならキヨ(清武)、乾は同じポジション。ドイツでも活躍している。タイプも2列目で似ている。ゆうたら(自分と)そこまで変わらない。結果を残さないといけない危機感は常に持っている」

 マンUで戦う日本の10番にして、代表を安住の地とはしていない。ザック体制になってから3年。代表では左サイドに定着している。マンUでもプレーしているトップ下での起用は、MF本田が不在時のみ。ポジションへのこだわりは「んー、特にないという感じ」と、○と×。「真ん中だろうが、左だろうが監督が決めること」と、複雑感情が素直な気持ちだった。

 ただ、ACミラン移籍が取りざたされているその本田の実力は、ともにプレーしているからこそ分かっている。コンフェデ杯でも2人でしか生み出せないコンビを披露。秒読み段階に入ったビッグクラブ移籍にはためらうことなく、○のプレートを目の前に掲げた。

 「一緒にプレーしていてもそう思うし、全然やれると思う。(ミラン移籍は)報道ではちらっとは見ている。正式に決まるまでは何とも言えない。決まったらいいと思う」

 W杯出場を決めた同アジア最終予選オーストラリア戦後は「違いを生み出せるのは圭佑君だけ」と香川も認める本田。ピッチ外では、6月の帰国時に突然息子を公の場に披露するパパだ。先日もフィギュアスケートの安藤美姫が、突然の出産公表で世間を驚かせた。香川も子ども好き。その思いと、今まで語ることのなかった結婚観も明かした。

 「僕は子どもが大好き。自分の子どもをほしいと思っている。また自分のプレーを見てほしい。もちろん奥さんもほしいし、いずれは結婚したい。30歳くらいまでにできれば。今すぐはないですけど」

 まだ24歳。サッカー選手として、これから脂が乗ってくるところだ。だが身近なところには、三十路(みそじ)にして全盛期を保ち続けるC大阪時代の先輩FW大久保嘉人。46歳にして走り続け、ゴールまでも決めたあこがれのFWカズがいる。かつて背中を追いかけた先駆者たちが、大きな刺激。ともにこのオフ、食事会でサッカー談議に花を咲かせた。特にJ1で今季すでに10ゴールをマークしている大久保との競演を熱望した。

 「嘉人さんは今すごい調子いい。1トップとして川崎Fですごいイキイキしている。FWの嘉人さんが僕は好き。そういう意味で代表でやれるチャンスがあればうれしい」

 ○と×から導き出された香川の本音。それは正解でも不正解でもない。色紙には「優勝!」としるしたブラジルW杯から逆算した答え。世界で勝つための道筋は、脳裏に「うっすらですけど、イメージはあります」。香川の、そして日本の、勝負の1年がもうすぐ始まる。