日本サッカー協会が、16年リオデジャネイロ五輪を目指す五輪男子日本代表監督としてJ1仙台の手倉森誠監督(45)を最有力候補に挙げていることが18日、明らかになった。日本協会関係者によると、既に手倉森監督に打診しており、今後正式オファーを出す模様。クラブ側の了解や、条件面も含めた全てが合意に達すれば、年内にも発表される。早ければ五輪を見すえたU-21日本代表が出場するU-22アジア選手権(来年1月、オマーン)で初采配を執る見込みだ。

 3年後のリオデジャネイロを目指す「五輪代表」の監督の最有力候補に、昨季仙台をJ1で2位まで躍進させた手倉森監督が挙がった。日本協会関係者によると打診は済ませており、Jリーグのシーズン中のため、タイミングを計って条件面を含めた正式オファーを出すことになるという。

 手倉森監督は08年に当時J2の仙台の監督に就任。堅実な守備からの速攻を基盤としたスタイルを確立した。10年にJ1昇格を果たすと、11年は東日本大震災の被災地クラブとして「希望の光」を合言葉に4位に食い込み、昨季は最後まで広島と優勝争いを演じて2位。J2時代は若手を積極的に起用し、MF梁勇基、浦和MF関口らを代表クラスに育てた。資金力が豊富ではない地方クラブを着実に強化し、まとめ上げてきた手腕への評価は高い。

 日本協会の原強化担当技術委員長は18日、「まだ、誰にも正式なオファーはしていないし、何も決めていない」と強調した。ただ、来年1月にはオマーンで五輪代表にあたるU-21日本代表が出場するU-22アジア選手権が開催される。15年初冬に行われる同選手権が五輪予選を兼ねるため、来年1月の大会は「プレ五輪予選」として貴重な経験の場となる。そのため「来年1月の大会(監督選考が)に間に合えばいいなという考えもある。五輪予選は国際Aマッチデーに行われないから、国内組だけで戦うので、Jリーグの選手を熟知した指導者の方がいいとも思う」と五輪監督の「条件」を明かした。

 これまで五輪代表監督は、五輪直近のW杯終了後にA代表の新監督決定と同時期に決められてきた。北京五輪の反町康治氏、ロンドン五輪の関塚隆氏も同様だった。だが、今回は手倉森監督と複数年契約を結ぶクラブ側の理解や、本人との条件面が整えば、正式決定になる見込み。早ければ来年1月のU-22アジア選手権から「手倉森ジャパン」が誕生することになる。