<アジアCL:鹿島5-0シンガポールAF(シンガポール)>◇22日◇1次リーグ◇G組◇カシマ

 鹿島がシンガポールAFに5-0で圧勝し、勝ち点9で水原(韓国)と並び、得失点差でG組首位に立った。3トップの布陣を敷き、初の同時先発となったFW大迫勇也(18)と興梠慎三(22)が大爆発。大迫はACL3戦連発となるゴールを含む1得点1アシスト、興梠も2得点を挙げ、チームを勝利に導いた。

 冷静に、確実に右足を振り抜いた。3-0で迎えた後半9分。ペナルティーエリア内で野沢の縦パスを受け、ACL3戦連発となるゴールを流し込んだ大迫は「GKは(脇下が)あくのは分かっていた。決めなきゃやばい。落ち着いて決められた」と振り返った。

 オリベイラ監督が07年に就任以来、先発3トップは初の試みだ。準備期間が少なく、戸惑いながらも結果を残した。同5分にはゴール前で倒れながら、後方に戻して小笠原の得点をアシスト。「あの態勢でシュートは無理。(小笠原)満男さんがいたので」と視野の広さを示した。

 16日にはアジア連盟の公式HPにインタビューが掲載され、早くも「アジアの新星」と認められ始めた。

 謙虚さが、成長の原動力だ。7戦連続で先発しながら、高校よりはるかに量が少ないプロの練習に「もっとやらないといけないのでは」と悩む。クラブ幹部から「量は少ないけど密度が濃いから大丈夫だ」と励まされても、自分に厳しい。この日も「もっと点が取れた」と反省を口にし、次戦への気持ちを高めた。

 そんな大迫と初めて同時先発した興梠は、先輩FWの威厳を示した。自身7戦ぶりの先発で前半38分に追加点を決め、後半29分には自慢の速さを生かした突破で、この日2点目をマークした。「2得点?

 相手が弱かったから。でも2点目は理想の形だった」。

 次に対戦する水原には初戦で1-4と敗れている。大迫が「前の水原戦はベンチ外。その悔しさがあるので次は結果を残したい」と話せば、興梠は「あの負けが先発落ちのきっかけになった。リベンジしたい」。若手2人の存在が強豪撃破の鍵を握る。【菅家大輔】